筋トレ前後のストレッチ|効果・やり方・タイミングを初心者向けに専門トレーナーが解説|SYN GYM恵比寿・広尾店
筋トレ前後のストレッチについて、前と後で異なる目的や正しいやり方をパーソナルトレーニングの専門家が解説。動的ストレッチ、ウォームアップ、筋トレ後のストレッチ、筋肉痛との関係、初心者が注意したいポイントまでわかりやすく紹介します。

「筋トレ前にストレッチしたほうがいい?」
「筋トレ後はどんなストレッチをすればいい?」
「身体が硬いから、痛いくらい伸ばしたほうが効果がある?」
筋トレを始めたばかりの方は、このようにストレッチについて悩むことがあると思います。
特にSNSや動画を見ると、「筋トレ前には静的ストレッチをしてはいけない」「筋トレ後にストレッチをすると筋肉痛にならない」など、さまざまな情報があります。
そのため、何が正しいのかわからなくなってしまう方も少なくありません。
私はパーソナルトレーニングの専門家として、これまで多くのお客様のトレーニングを指導してきました。
実際の指導では、筋トレ前と筋トレ後でストレッチの目的を分けて考えています。
筋トレ前は「これから身体を動かすための準備」。
筋トレ後は「呼吸を整えながら身体をゆっくり整える時間」。
このように考えると、ストレッチを難しく考えすぎる必要はありません。
この記事では、筋トレ前後のストレッチについて、完全な初心者の方にもわかりやすく解説します。
筋トレ前後のストレッチは目的を分けて考える
筋トレ前後のストレッチで最初に覚えておきたいのが、「前と後では目的が違う」ということです。
筋トレ前
筋トレ前は、これから行うトレーニングに向けて身体を準備することが目的です。
軽い有酸素運動や動的な動きを取り入れながら、身体を徐々に温めていきます。
さらに、その日のトレーニングで使う関節や筋肉を動かして、実際の種目につなげていきます。
筋トレ後
筋トレ後は、徐々に運動強度を落としながら呼吸を整え、身体をゆっくり落ち着かせていきます。
その中で、無理のない範囲でストレッチを取り入れる方法があります。
つまり、
「筋トレ前=身体を動かす準備」
「筋トレ後=身体を整える時間」
と考えるとわかりやすいでしょう。
厚生労働省も、ストレッチングを柔軟性を高める運動としてだけでなく、準備運動や整理運動の一要素として活用できるとしています。
筋トレ前は長時間の静的ストレッチをする必要はない
筋トレ前というと、床に座って前屈をしたり、脚をじっくり伸ばしたりするイメージを持っている方もいるでしょう。
もちろん静的ストレッチそのものが悪いわけではありません。
ただし、筋トレ前の準備として長時間じっと伸ばすことだけを行う必要はありません。
特に筋力アップやボディメイクが目的の場合は、筋トレ前に身体を温め、これから行う種目につながる動きを入れることを重視しています。
例えば、
- 軽いウォーキング
- 軽いバイク
- 肩を回す
- 股関節を動かす
- 足首を動かす
- 身体を軽くひねる
- 自重スクワット
- 軽い重量でのウォーミングアップ
などです。
アメリカ心臓協会も、運動前には数分間の軽い運動などで徐々に身体を温めることを勧めています。
筋トレ前は「動的ストレッチ」を取り入れる
筋トレ前には、身体を動かしながら関節を動かす「動的ストレッチ」を取り入れる方法があります。
動的ストレッチとは、筋肉をじっと伸ばして止まるのではなく、身体を動かしながら可動域を使っていくような方法です。
例えば、
- 腕を大きく回す
- 肩甲骨を動かす
- 股関節を回す
- 脚を前後に動かす
- 足首を動かす
- 軽いスクワットをする
などがあります。
大切なのは、動的ストレッチをたくさんやることではありません。
その日のトレーニングに必要な動きを準備することです。
スクワット前なら股関節や足首を準備する
例えば、その日にスクワットを行うとします。
いきなり重いバーベルを担ぐのではなく、まずは股関節や足首を動かしたり、自重スクワットを行ったりします。
その後、軽い重量から始めて、フォームを確認しながら徐々に負荷を上げていきます。
スクワットでは、
- 足首
- 膝
- 股関節
- 体幹
など、複数の部位が連動します。
そのため、「脚のストレッチをして終わり」ではなく、実際にスクワットにつながる動きを確認することが重要です。
これはストレッチだけでなく、ウォーミングアップ全体を考えるということです。
筋トレ前は「実際の種目」で身体を慣らすことも大切
実際の指導では、筋トレ前にいきなり本番重量を持たせることは基本的にしません。
まず軽い重量で動作を確認し、身体をその種目に慣らしていきます。
例えば、本番で50kgのスクワットを行う場合でも、
自重スクワット
↓
軽い重量
↓
少し重量を上げる
↓
本番重量
というように段階的に進めることがあります。
これは車でいう「いきなり高速道路に入るのではなく、徐々にスピードを上げる」ようなイメージです。
筋トレ前はストレッチだけで完結させるのではなく、「これから行うトレーニングに身体を慣らす」という視点を持つとよいでしょう。
筋トレ前のストレッチは毎回同じでなくていい
「筋トレ前はこのストレッチを必ず10種類やる」
というように固定する必要はありません。
その日のトレーニング内容によって、準備する部位を変えても問題ありません。
例えば、
下半身の日
- 足首
- 股関節
- 太もも
- お尻
- 体幹
などを中心に動かします。
胸・肩の日
- 肩関節
- 肩甲骨
- 胸郭
などを動かします。
背中の日
- 肩甲骨
- 肩関節
- 胸郭
などを中心に準備します。
このように、「今日はどこを使うのか」を考えて準備すると、必要以上にストレッチに時間をかけずに済みます。
筋トレ後はゆっくり身体を落ち着かせる
筋トレが終わったら、いきなり完全に動きを止めるのではなく、少しずつ運動強度を落としていく方法があります。
例えば、
トレーニング終了
↓
軽く歩く
↓
呼吸を整える
↓
必要な部位をゆっくりストレッチ
という流れです。
筋トレ直後は心拍数も上がっています。
そのため、まずはゆっくり動いて呼吸を整え、その後にストレッチを行うと取り入れやすいでしょう。
アメリカ心臓協会やNHSでも、運動後は徐々に運動強度を落とすクールダウンや、身体が温まっている状態でのストレッチが紹介されています。
筋トレ後のストレッチは「痛いほど伸ばさない」
ストレッチでよくある間違いが、
「痛いくらい伸ばしたほうが効いている」
と考えることです。
これはおすすめできません。
ストレッチは、痛みに耐える競技ではありません。
「少し伸びている」
「気持ちいい」
と感じる程度から始めましょう。
厚生労働省も、ストレッチングでは「痛くなく気持ちよい程度に伸ばす」ことや、呼吸を止めないことを基本としています。
例えば前屈をするときも、
「指先が床につかないとダメ」
と考える必要はありません。
手が膝のあたりまでしか届かなくても、それが現在の身体の状態です。
無理に床に手をつけようとするより、無理のない範囲で少しずつ柔軟性を高めていくほうが大切です。
「痛い=効いている」ではない
筋トレでも、
「筋肉痛が強いほど効いている」
とは限りません。
それと同じように、ストレッチも、
「痛いほど伸びているから効果が高い」
とは限りません。
むしろ、痛みを我慢して無理に伸ばすと、身体が緊張してしまうことがあります。
ストレッチは、
「痛気持ちいい」
くらいを目安にして、呼吸を止めずにゆっくり行いましょう。
筋トレ後のストレッチで筋肉痛は完全になくなる?
「筋トレ後にストレッチをすれば筋肉痛にならない」
という話を聞くことがあります。
しかし、ストレッチだけで筋肉痛を完全に防げると考えるのはおすすめしません。
研究では、運動前後のストレッチによって遅発性筋肉痛が大きく減るという十分な根拠は確認されていません。
筋肉痛には、
- 普段どれくらい運動しているか
- 久しぶりに運動したか
- トレーニングの強度
- トレーニング量
- 新しい種目を行ったか
- 筋肉への刺激の種類
など、さまざまな要因が関係します。
そのため、
「昨日ストレッチをしなかったから筋肉痛になった」
と単純に考える必要はありません。
ストレッチは身体を整えるための一つの方法として取り入れ、筋肉痛の予防をストレッチだけに頼らないようにしましょう。
筋肉痛があるときも無理に伸ばす必要はない
筋肉痛があるからといって、痛い部分を強くストレッチする必要はありません。
特に強い痛みがある場合は、無理に伸ばすのではなく、身体の状態を確認することが大切です。
軽く身体を動かしたり、別の部位をトレーニングしたり、必要であれば休養したりするなど、その日の状態に合わせて調整しましょう。
「毎日必ずストレッチしなければいけない」というルールを作る必要もありません。
身体が硬い人ほど「柔らかくしなければ」と焦らない
「身体が硬いから筋トレができない」
「前屈で手が床につかないからフォームが悪い」
と思っている方もいます。
しかし、身体の硬さだけでフォームの良し悪しを判断することはできません。
実際のトレーニングでは、
- 関節がどの方向に動くか
- どの動作で制限が出るか
- 身体を安定させられているか
- 左右差があるか
- どの筋肉を使えているか
などを確認します。
例えばスクワットで深くしゃがめない場合でも、原因が必ずしも「太ももが硬いから」とは限りません。
足首の動き、股関節の動き、身体の安定性、フォームなど、さまざまな要素を確認する必要があります。
「身体が硬い=悪い」と決めつけず、どの動作で困っているのかを見ることが大切です。
筋トレ初心者はストレッチに時間をかけすぎない
筋トレ初心者の方にありがちなのが、
「筋トレ前に30分ストレッチ」
「筋トレ後にも30分ストレッチ」
と、ストレッチだけで長時間使ってしまうことです。
もちろん柔軟性を高めることが目的なら、ストレッチに時間を使うことにも意味があります。
しかし、目的が、
- 筋肉をつけたい
- 痩せたい
- ボディメイクしたい
- 筋力をつけたい
- 運動不足を解消したい
ということであれば、基本は筋トレを中心に考えましょう。
ストレッチは必要な部分を補助的に取り入れるくらいでも十分です。
「ストレッチを完璧にやらないと筋トレができない」と考える必要はありません。
筋トレ前後のストレッチの具体例
ここでは、初心者の方でも取り入れやすい流れを紹介します。
筋トレ前
まずは数分程度の軽い有酸素運動などで身体を温めます。
例えば、
- ウォーキング
- 軽いバイク
- 軽いステップ運動
などです。
その後、その日のトレーニングに合わせて身体を動かします。
スクワットなら、
- 足首を動かす
- 股関節を動かす
- 自重スクワット
- 軽い重量でスクワット
などを行います。
筋トレ後
トレーニングが終わったら、まずはゆっくり歩くなどして身体を落ち着かせます。
その後、
- 太もも
- お尻
- 胸
- 背中
- 肩
など、その日に使った部位を中心に、無理のない範囲でストレッチします。
ポイントは、反動をつけず、呼吸を止めず、痛みが出ない範囲で行うことです。
筋トレ前後のストレッチで意識したい5つのポイント
初心者の方は、次の5つを覚えておけば十分です。
1.筋トレ前と後で目的を分ける
筋トレ前は身体を動かす準備。
筋トレ後は身体を落ち着かせ、整える時間。
この違いを意識しましょう。
2.筋トレ前は身体を温める
いきなり重い重量を持たず、軽い有酸素運動や動的な動き、軽い重量でのウォーミングアップなどを取り入れます。
3.筋トレ後はゆっくり伸ばす
反動をつけず、呼吸を止めず、無理のない範囲でゆっくり行いましょう。
4.痛いところまで伸ばさない
「痛い=効いている」ではありません。
気持ちよく伸びる程度から始めましょう。
5.ストレッチだけを頑張りすぎない
筋力アップやダイエットが目的なら、筋トレを中心にしてストレッチを補助的に取り入れます。
恵比寿・広尾で筋トレを始めるならストレッチもトレーニングの一部として考えよう
恵比寿・広尾で筋トレを始めたい方の中には、
「ジムに行って何をすればいいかわからない」
「身体が硬いけど筋トレできる?」
「フォームが合っているかわからない」
という方もいるでしょう。
筋トレは、ただ重量を持ち上げればよいわけではありません。
その日の身体の状態を確認し、必要に応じてウォーミングアップを行い、正しいフォームでトレーニングし、最後に身体を落ち着かせる。
この一連の流れを作ることが大切です。
SYN GYM恵比寿・広尾店でも、トレーニング前にいきなり重い重量を持つのではなく、その日の種目や身体の状態に合わせて準備を行うことを大切にしています。
特に運動初心者の方は、身体が硬いことだけを気にするのではなく、「どの動作がやりにくいのか」「どこを動かしやすくする必要があるのか」を確認しながらトレーニングしていくことをおすすめします。
まとめ
筋トレ前後のストレッチは、前と後で目的を分けて考えることが大切です。
筋トレ前は、身体をこれから行うトレーニングに向けて準備する時間です。
軽い有酸素運動や動的な動き、トレーニング種目の軽い重量などを使って、身体を徐々に温めていきましょう。
一方、筋トレ後は、運動強度を徐々に落として呼吸を整え、必要に応じてゆっくりストレッチを行います。
ストレッチをするときは、「痛いほど伸ばす」のではなく、無理のない範囲で気持ちよく伸びる程度を意識しましょう。
また、筋トレ後のストレッチだけで筋肉痛を完全に防げるわけではありません。
筋肉痛の程度はトレーニング内容や身体の状態など、さまざまな要因によって変わります。
そして、筋トレ初心者の方はストレッチに時間をかけすぎる必要もありません。
ダイエットや筋肉づくり、ボディメイクが目的なら、まずは筋トレを継続することを中心に考え、必要なストレッチを補助的に取り入れてみてください。
「筋トレ前は身体を動かす準備」
「筋トレ後は身体を整える時間」
この2つを意識するだけでも、ストレッチをよりシンプルに取り入れられるようになります。
無理に身体を柔らかくしようとせず、その日の身体の状態に合わせて少しずつ取り組んでいきましょう。
正しいフォームと無理のないトレーニングを継続しながら、自分の身体に合った準備とケアを取り入れることで、運動習慣はより続けやすくなります。
恵比寿・広尾で筋トレを始める方が、無理なく運動を続けながら、理想の身体に近づいていけることを願っています。
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出典
厚生労働省「ストレッチングの効果」(厚生労働省)
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/exercise/s-04-006
厚生労働省「ストレッチングの実際」(厚生労働省)
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/exercise/s-04-007.html
American Heart Association「Warm Up, Cool Down」(American Heart Association)
NHS「How to warm up before exercising」(NHS)
https://www.nhs.uk/Livewell/fitness/Pages/how-to-warm-up.aspx
PubMed「The Effectiveness of Post-exercise Stretching in Short-Term and Delayed Recovery of Strength, Range of Motion and Delayed Onset Muscle Soreness: A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials」(PubMed)