糖質は悪者?|ダイエットや筋トレで糖質を抜くべきか専門トレーナーが解説|SYN GYM恵比寿・広尾店
糖質は本当に太る原因なのか?パーソナルトレーナーが、糖質の役割やダイエット中の考え方、筋トレとの関係、夜にご飯を食べる場合の考え方、食品の選び方まで初心者にもわかりやすく解説します。

「ダイエットするなら、ご飯は抜いたほうがいいですか?」
「糖質を食べると太りますよね?」
「夜は炭水化物を食べないほうがいいですか?」
ダイエットや筋トレを始めると、糖質についてこのような疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。
特にSNSやインターネットでは、「糖質制限」「糖質カット」「夜は炭水化物を抜く」といった情報を目にすることもあり、糖質そのものが太る原因だと思ってしまう方も少なくありません。
実際の食事指導でも、「痩せたいのでご飯を抜いたほうがいいですか?」という相談をよく受けます。
しかし、糖質そのものが悪いわけではありません。
糖質は身体を動かすためのエネルギー源のひとつであり、筋トレや日常生活を続けるうえでも重要な栄養素です。
一方で、必要以上に摂ればエネルギー過剰につながるため、「糖質ならいくら食べてもいい」というわけでもありません。
大切なのは、糖質を敵にするのではなく、自分の活動量や目的に合わせて上手に付き合うことです。
この記事では、パーソナルトレーニングの現場での食事指導の考え方を交えながら、「糖質は本当に悪者なのか?」を初心者の方にもわかりやすく解説します。
糖質は本当に悪者?
結論から言うと、糖質そのものを悪者にする必要はありません。
糖質を含む炭水化物は、身体にとって重要なエネルギー源です。
WHOも、炭水化物は身体の主要なエネルギー源であり、健康的な食事では未精製の炭水化物を含むさまざまな食品を取り入れることを推奨しています。
つまり、
「糖質=太る」
と一括りに考えるのではなく、
「どのくらい食べているのか」
「どんな食品から摂っているのか」
「普段どのくらい身体を動かしているのか」
「1日の食事全体はどうなっているのか」
を見ることが大切です。
ダイエットで重要なのは、糖質だけを抜くことではありません。
糖質は身体を動かすためのエネルギー源
糖質を摂ると、身体の中で利用可能なエネルギーとして使われます。
特に運動をするときには、筋肉がエネルギーを必要とします。
イメージとしては、車にガソリンが必要なのと同じです。
もちろん身体は糖質だけをエネルギーとして使うわけではありません。
脂質などもエネルギーとして利用します。
しかし、運動をする人にとって糖質は重要なエネルギー源のひとつです。
そのため、ダイエットだからといって糖質を極端に減らしてしまうと、トレーニングの質や日常生活での活動量に影響する場合があります。
筋トレをする人に糖質が必要な理由
筋トレをしている方にとっても糖質は重要です。
筋力トレーニングでは筋肉に大きな負荷をかけるため、トレーニングを継続するためのエネルギーが必要になります。
研究では、糖質摂取がすべての筋力トレーニングで必ずパフォーマンスを高めるわけではないものの、長時間のセッションや高いトレーニング量、空腹状態などではパフォーマンスにプラスになる可能性が示されています。
そのため、
「筋肉をつけたいからタンパク質だけ食べる」
という考え方ではなく、
タンパク質+炭水化物+脂質
という食事全体を見ることが大切です。
例えば、
「最近、筋トレの重量が落ちてきた」
「以前よりトレーニング中に疲れやすい」
という場合、トレーニング内容だけでなく、睡眠や食事量、糖質を含めたエネルギー摂取量なども確認してみる価値があります。
もちろん、パフォーマンス低下の原因は糖質不足だけとは限りません。
睡眠不足や疲労、トレーニング量が多すぎることなど、さまざまな要因があります。
ダイエット中に糖質を抜くべき?
ダイエット中だからといって、最初から糖質を完全に抜く必要はありません。
実際の食事指導でも、まずは食事全体の量やバランスを確認します。
例えば、
「ご飯を毎食大盛りにしている」
という方と、
「ご飯は普通盛りで、間食にお菓子や甘い飲み物をたくさん摂っている」
という方では、見直すポイントが違います。
どちらも「糖質を食べている」という共通点はありますが、食生活全体はまったく同じではありません。
そのため、
「糖質を全部抜く」
ではなく、
「どこからどれくらい摂っているのかを確認する」
ことから始めるほうが現実的です。
糖質を減らせば必ず痩せるわけではない
糖質を減らした結果、体重が落ちることはあります。
しかし、それだけを見て「糖質が太る原因だった」と判断するのは注意が必要です。
食事から糖質を大きく減らすと、食事全体のエネルギー摂取量が減ることがあります。
また、体内に蓄えられているグリコーゲンと、それに伴う水分量などが変化することで、短期間で体重が変わることもあります。
そのため、
「糖質を抜いたら3日で2kg落ちた!」
という場合でも、そのすべてが体脂肪の減少とは限りません。
ダイエットでは、短期間の体重だけを見るのではなく、数週間から数か月単位で体重、体脂肪、ウエスト、見た目などの変化を確認することが大切です。
「糖質を抜いたら痩せた」の正体を考える
例えば、これまで毎日、
朝:パン 昼:大盛りご飯 夜:ご飯+麺類 間食:お菓子
という食生活をしていた人が、糖質を大幅に減らしたとします。
当然、1日の食事量が大きく変わる可能性があります。
この場合、
「糖質だから痩せた」
というより、
「食事全体のエネルギー摂取量が大きく変わった」
可能性も考える必要があります。
一方で、糖質を減らすことによって食欲をコントロールしやすくなり、結果として食事量を管理しやすくなる方もいます。
大切なのは、糖質制限がすべての人に必要だと考えることではなく、自分にとって継続しやすい方法かどうかを見ることです。
糖質を極端に減らすと筋トレに影響することも
糖質を極端に減らした状態で筋トレを続けると、
「トレーニング中に疲れやすい」
「いつもの重量が扱えない」
「トレーニング量をこなせない」
と感じる方もいます。
ただし、糖質と筋トレパフォーマンスの関係は、トレーニング時間や量、空腹状態などによって異なります。
研究でも、通常の食事をした状態で比較的短い筋トレを行う場合、糖質摂取量を増やしても必ずしもパフォーマンスが改善するとは限らない一方、長時間・高ボリュームのトレーニングなどではメリットがみられるケースがあります。
つまり、
「筋トレする人は大量の糖質が必要」
でも、
「筋トレする人は糖質を抜いてはいけない」
でもありません。
自分のトレーニング量や身体の反応を見ながら調整することが大切です。
糖質はどれくらい摂ればいい?
糖質の必要量も、全員が同じではありません。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、成人の炭水化物の目標量は、エネルギー比50〜65%とされています。
一方、WHOでは、成人の健康的な食事における炭水化物について、45〜75%程度をひとつの範囲として示しています。
ただし、これは「ダイエット中は必ず○%」という個人向けの設定値ではありません。
年齢、性別、身体活動量、総摂取エネルギー、健康状態、目的などによって適切な食事は変わります。
そのため、初心者の方は最初から細かい数字を追いかけすぎなくても大丈夫です。
まずは、
「主食を極端に抜かない」
「食べすぎているなら量を見直す」
「運動量に合わせて調整する」
というところから始めてみましょう。
白米は食べていい?
「ダイエット中は白米を食べないほうがいいですか?」
という質問もよくあります。
基本的には、白米もダイエット中に食べられる食品です。
問題は白米そのものではなく、1日の食事全体です。
例えば、
白米+魚+野菜
白米+鶏肉+野菜
白米+卵+豆腐+野菜
のように、主食・主菜・副菜を組み合わせれば、バランスを考えやすくなります。
一方、
大盛りの白米+揚げ物+甘い飲み物+デザート
のように、エネルギーの高い食品が重なると、食事全体のエネルギー量も増えやすくなります。
「白米を食べるか、食べないか」だけで判断するのではなく、「何と一緒に、どれくらい食べるか」を考えてみましょう。
白米以外にも糖質を含む食品はたくさんある
糖質は白米だけから摂るものではありません。
例えば、
・玄米 ・オートミール ・全粒粉パン ・そば ・うどん ・パスタ ・じゃがいも ・さつまいも ・果物 ・豆類
など、さまざまな食品に含まれています。
WHOの炭水化物に関するガイドラインでは、炭水化物の「量」だけでなく「質」も重要とされ、全粒穀物、野菜、果物、豆類などを主な供給源とすることが推奨されています。
つまり、
「糖質を摂るか、摂らないか」
だけではなく、
「どんな食品から摂るか」
にも目を向けることが大切です。
「糖質」と「砂糖」は同じではない
ここも初心者の方が混乱しやすいポイントです。
糖質という言葉と、砂糖という言葉は同じ意味ではありません。
ご飯やパン、麺類、いも類、果物などにも炭水化物は含まれています。
そのため、
「甘いものを控える」
ことと、
「ご飯を完全に抜く」
ことは同じではありません。
ダイエットをするなら、まずは菓子類や砂糖入り飲料など、気づかないうちに摂取量が増えやすいものを確認することも大切です。
WHOも、健康的な食事では遊離糖の摂取を抑えることを推奨しています。
糖質全体を一括りにするのではなく、食品の種類や食べ方を見るようにしましょう。
夜にご飯を食べたら太る?
「夜に炭水化物を食べると太る」
という話を聞いたことがある方も多いと思います。
しかし、「夜に食べた」という時間だけで体脂肪が増えるかどうかを判断するのは適切ではありません。
ダイエットでは、
・1日の総摂取エネルギー ・食品の内容 ・食事量 ・身体活動量 ・運動量 ・睡眠 ・間食や飲み物
などを総合的に考える必要があります。
例えば、朝と昼にほとんど食べず、夜に極端にお腹が空いて大量に食べてしまうのであれば、夕食の食べ方を見直すことには意味があります。
一方で、適切な量の夕食としてご飯を食べていることまで「夜だから禁止」とする必要はありません。
生活リズムやトレーニング時間に合わせて、自分が続けやすい食事を考えることが大切です。
トレーニング前後に糖質を摂る方法
ダイエット中でも、トレーニング前後など活動量が高い時間帯に糖質を取り入れる方法があります。
例えば、仕事終わりにジムへ行く場合、
昼食からトレーニングまでかなり時間が空く
というケースがあります。
このような場合は、トレーニング前におにぎりやバナナなど、消化しやすい食品を取り入れる方法があります。
また、トレーニング後も、タンパク質だけでなく、トレーニング量や次の食事までの時間などを考えて糖質を含む食事を組み合わせることがあります。
ただし、全員がトレーニング前後に糖質を追加する必要があるわけではありません。
普段の食事量やトレーニング内容、食事間隔を見ながら調整しましょう。
ダイエット中の糖質は「量」と「タイミング」を考える
ダイエット中の糖質については、
「食べるか、食べないか」
だけで考えないことが重要です。
例えば、同じ1日の糖質量でも、
朝・昼・夜に分ける
トレーニング前後に合わせる
活動量が多い日に多めにする
活動量が少ない日に少し調整する
など、生活に合わせた考え方ができます。
特に忙しい方の場合、「毎日同じ量を完璧に食べる」よりも、「その日の予定に合わせて調整する」ほうが続けやすいこともあります。
糖質を減らしすぎるより、まず食事全体を見直す
ダイエットで最初にやってほしいのは、糖質だけを極端に減らすことではありません。
まずは、
「普段何を食べているか」
を確認してみましょう。
例えば、
・朝食を抜いている ・昼食が少なすぎる ・夜に大量に食べる ・間食が多い ・甘い飲み物を毎日飲んでいる ・揚げ物が多い ・タンパク質が少ない ・野菜や食物繊維が少ない
など、改善できるポイントが見つかることがあります。
糖質だけを悪者にすると、こうした本当の問題を見落としてしまう可能性があります。
糖質だけでなくPFC全体を見る
ダイエットやボディメイクでは、糖質だけを考えるのではなく、
P=タンパク質
F=脂質
C=炭水化物
の3つをまとめて考えることが大切です。
例えば、糖質を減らしているからといって、
「肉ならいくら食べてもいい」
というわけではありません。
脂質が多い食品を大量に食べれば、食事全体のエネルギー量が増えることもあります。
反対に、糖質を極端に減らしてタンパク質と脂質だけに偏れば、食事のバランスが崩れる可能性があります。
WHOも、健康的な食事ではタンパク質、脂質、炭水化物のバランスが重要だとしています。
「糖質を減らす」ではなく、「PFC全体を整える」という視点を持ってみましょう。
糖質を抜いたら最初は体重が落ちたのに戻ったのはなぜ?
「糖質を抜いたら最初は体重が落ちたけど、普通に食べるようにしたら戻ってしまった」
という経験がある方もいるかもしれません。
これは珍しいことではありません。
糖質を大きく減らすことで食事全体のエネルギー量が減ったり、体内のグリコーゲンや水分量が変化したりすることで、短期間に体重が変動することがあります。
その後、糖質を含む通常の食事に戻すと、グリコーゲンや水分などが戻ることで体重が変化する場合があります。
そのため、短期間の体重変化だけで、
「糖質を食べたから太った」
と判断しないことが重要です。
ダイエットでは、体重だけでなく、体脂肪、ウエスト、見た目、トレーニングパフォーマンスなどを長期的に確認しましょう。
筋肉をつけたい人も糖質を避けすぎない
筋肉をつけたい方は、タンパク質ばかりに目が向きがちです。
もちろんタンパク質は重要ですが、それだけで食事を考える必要はありません。
筋トレを継続するためにはエネルギーが必要です。
そのため、
「タンパク質を確保する」
だけではなく、
「トレーニングに必要なエネルギーを確保する」
ことも考えていきます。
例えば、
ご飯+魚+野菜
ご飯+鶏肉+野菜
オートミール+卵+ヨーグルト
など、タンパク質と炭水化物を組み合わせる方法があります。
筋肉を増やしたい方ほど、「タンパク質だけ」ではなく食事全体を見ることが大切です。
糖質と上手に付き合うための3つの考え方
糖質について迷ったら、次の3つを意識してみてください。
1.糖質を一律に悪者にしない
ご飯、パン、麺、いも、果物などをすべて「太る食品」と考える必要はありません。
まずは食事全体を見ましょう。
2.活動量に合わせる
仕事でたくさん歩く日、筋トレをする日、ほとんど座っている日では必要なエネルギーも変わります。
自分の活動量に合わせて食事量を調整しましょう。
3.長く続けられる方法を選ぶ
短期間だけ極端に糖質を減らすよりも、
「ご飯は適量食べる」
「甘い飲み物を減らす」
「トレーニング前後の食事を整える」
「タンパク質を確保する」
など、無理なく続けられる方法を積み重ねることが大切です。
パーソナルジムでの食事指導では糖質を禁止しない
私が食事指導で大切にしているのは、「糖質を抜く」のではなく、「糖質と上手に付き合う」ことです。
例えば、
「ご飯が好きだからダイエットできない」
という方がいたとしても、いきなりご飯を禁止する必要はありません。
現在の食事量や活動量を確認して、
「まずは大盛りを普通盛りにしてみましょう」
「トレーニング日は適切に主食を摂りましょう」
「間食の甘い飲み物を減らしましょう」
といったように、生活に合わせて調整していきます。
食事指導で重要なのは、「理想的な食事を1週間だけできること」ではありません。
仕事や予定がある中でも、半年、1年と続けられる食生活を作ることです。
まとめ
糖質は「太る原因だから悪い」という単純なものではありません。
糖質を含む炭水化物は、身体を動かすための重要なエネルギー源です。
特に筋トレや運動をしている方は、糖質を極端に減らすことでトレーニングの質や疲労感に影響する場合があります。
一方で、糖質を必要以上に摂ればエネルギー過剰につながるため、「糖質ならいくら食べてもいい」というわけでもありません。
大切なのは、
・糖質だけを悪者にしない ・1日の総摂取エネルギーを見る ・PFC全体のバランスを見る ・活動量やトレーニング量に合わせて調整する ・白米、全粒穀物、いも類、果物など食品の種類も考える ・トレーニング前後など活動量の多い時間帯に適切に摂る ・短期的な体重変化だけで判断しない ・長期間続けられる食事を作る
という考え方が重要です。
「ダイエット=糖質制限」と決めつけるのではなく、自分の目標や生活に合った食事を考えてみましょう。
ご飯やパン、麺類などを一律に禁止する必要はありません。
糖質を抜くのではなく、糖質と上手に付き合いながら、タンパク質・脂質・炭水化物のバランスを整えていくことが、無理なく続けられる身体づくりにつながります。
正しい知識を身につけ、極端な食事制限に頼らず、運動と食事を無理なく継続していきましょう。
皆さんが健康的な食習慣を身につけ、理想の身体に近づいていけることを願っています。
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出典
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html
World Health Organization「Healthy diet」
https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/healthy-diet
World Health Organization「Carbohydrate intake for adults and children: WHO guideline」
https://www.who.int/publications/i/item/9789240073593
PubMed「The Effect of Carbohydrate Intake on Strength and Resistance Training Performance: A Systematic Review」
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35215506/
PubMed「The Ergogenic Effects of Acute Carbohydrate Feeding on Resistance Exercise Performance: A Systematic Review and Meta-analysis」