タンパク質の必要量|筋トレ・ダイエットに必要な量を専門トレーナーが解説|SYN GYM恵比寿・広尾店
タンパク質の必要量を、パーソナルトレーニングの専門家が初心者にもわかりやすく解説。体重・運動量・年齢・目的による違いや、筋トレ・ダイエット中の目安、食品の選び方、プロテインの活用方法まで紹介します。

「タンパク質はどれくらい摂ればいいの?」
ダイエットや筋トレを始めると、この疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。
「筋肉をつけるなら、とにかく肉をたくさん食べればいい?」
「プロテインを毎日飲んだほうがいい?」
「ダイエット中だから食事を減らしているけど、タンパク質は足りている?」
実際のパーソナルトレーニングでも、タンパク質の摂取量について相談されることは少なくありません。
タンパク質は筋肉だけでなく、皮膚や髪、爪、酵素やホルモンなど、身体を構成するさまざまなものに関わる重要な栄養素です。
一方で、「多ければ多いほどいい」というものでもありません。
必要な量は、体重だけでなく、年齢、運動量、食事量、ダイエット中かどうか、筋肉を増やしたいのかなどによって変わります。
この記事では、パーソナルトレーニングの現場での考え方を交えながら、タンパク質の必要量や摂り方について、初心者の方にもわかりやすく解説します。
タンパク質とは?
タンパク質は、筋肉や皮膚、髪、爪など身体を構成する重要な栄養素です。
筋トレをしている方にとっては特に身近な栄養素ですが、タンパク質は筋肉だけのために必要なものではありません。
肉、魚、卵、乳製品、大豆製品など、さまざまな食品から摂取できます。
WHOも、健康的な食事ではタンパク質だけに偏るのではなく、炭水化物や脂質を含めた栄養素全体のバランスと、さまざまな食品を組み合わせることが重要だとしています。
つまり、「タンパク質を増やせば健康になる」という単純な話ではありません。
タンパク質を適量確保しながら、主食、野菜、果物、脂質なども含めて食事全体を整えることが大切です。
タンパク質の必要量は人によって違う
タンパク質の必要量を考えるときに、最も大切なのが「全員が同じ量ではない」ということです。
例えば、体重60kgでほとんど運動をしない人と、週4〜5回筋トレをしている人では、身体活動量が大きく違います。
さらに、
・筋肉を増やしたい ・ダイエットしたい ・健康維持をしたい ・運動習慣をつけたい ・年齢による筋肉量の低下を抑えたい
など、目的によっても考え方が変わります。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」でも、タンパク質を含む栄養素について、年齢や性別などに応じた基準が設定されています。
そのため、「タンパク質は1日○g摂れば全員OK」と考えるよりも、自分の身体や生活に合わせて考えることが大切です。
筋トレをしている人のタンパク質量はどれくらい?
筋トレをしている方の場合、まずは「体重1kgあたり1.2〜1.6g程度」をひとつの実践的な目安として考える方法があります。
例えば体重60kgの場合、
60kg × 1.2g = 72g
60kg × 1.6g = 96g
となるため、1日72〜96g程度です。
ただし、これは「筋トレをする人は必ずこの量でなければいけない」という意味ではありません。
運動する人を対象としたスポーツ栄養のポジションスタンドでは、筋肉量の維持・増加を目的とする場合、1日1.4〜2.0g/kg程度が多くの運動者に十分とされています。
また、筋力トレーニングとタンパク質摂取についてまとめたメタ解析では、総タンパク質摂取量が約1.6g/kg/日を超えると、筋肉量の増加に対する追加効果が小さくなることが示されています。
そのため、初心者の方がいきなり「毎日2g/kg以上摂らなければ」と考える必要はありません。
まずは普段の食事で十分なタンパク質を確保できているかを確認するところから始めてみましょう。
体重60kgならタンパク質72〜96gが目安
具体的なイメージを持つために、体重60kgの方を例に考えてみましょう。
1.2〜1.6g/kgを目安にすると、
72〜96g/日
程度になります。
ただし、「96gを1回の食事で食べる」という意味ではありません。
例えば、
朝食:20g 昼食:25g 夕食:35g 間食:10〜15g
というように分ければ、無理なく近づけることができます。
ここで大切なのは、毎日1g単位まで完璧に合わせることではありません。
「今までタンパク質がほとんど摂れていなかったので、まずは毎食少しずつ増やしてみる」
という考え方でも十分スタートできます。
ダイエット中はタンパク質不足に注意
ダイエットをするときにありがちな失敗が、「食事量を減らした結果、タンパク質まで減ってしまう」というケースです。
例えば、
朝:コーヒーだけ 昼:サラダだけ 夜:少量のご飯と野菜だけ
という食生活にすると、摂取カロリーは減るかもしれません。
しかし、タンパク質も不足しやすくなります。
実際の食事指導でも、ダイエット中の方には「まず主菜を確保する」という考え方をお伝えすることがあります。
例えば、
ご飯+魚+野菜
ご飯+鶏肉+野菜
ご飯+豆腐+卵+野菜
のように、主食と主菜、副菜を組み合わせるイメージです。
ダイエットでは「何を抜くか」だけではなく、「必要な栄養をどう確保するか」も重要です。
筋肉を増やしたい場合はタンパク質を意識する
筋肉を増やしたい方にとって、タンパク質は重要な栄養素です。
筋トレによって筋肉に刺激を与えても、身体を作る材料が十分に摂れていなければ、食事全体として十分な状態を作りにくくなります。
ただし、
「タンパク質をたくさん摂れば、筋トレをしなくても筋肉が増える」
というわけではありません。
筋肉を増やしたい場合は、
・筋力トレーニング ・十分なタンパク質 ・適切なエネルギー摂取 ・睡眠や休養
などを合わせて考えることが大切です。
タンパク質だけを増やすのではなく、「トレーニング+食事+休養」のセットで考えましょう。
タンパク質は一度にまとめて摂るより分ける
「1日のタンパク質量を確保すれば、いつ食べてもいいの?」
という疑問もあると思います。
実践面では、朝・昼・夜など複数回に分けると、毎日の食生活に取り入れやすくなります。
例えば1日に90gを目標にするなら、
朝:25g 昼:30g 夜:35g
というように分ける方法があります。
もちろん毎日この通りにする必要はありません。
大切なのは、夕食だけで大量に摂ろうとするのではなく、1日の中で何回かに分けて摂取する習慣を作ることです。
特に朝食のタンパク質が少ない方は、朝から少し追加するだけでも食生活を変えやすくなります。
朝食のタンパク質を増やす方法
朝食でタンパク質が不足しやすい方は、難しく考える必要はありません。
例えば、
・卵を追加する ・ヨーグルトを食べる ・牛乳を取り入れる ・豆乳を飲む ・納豆を追加する ・チーズを取り入れる
など、普段の朝食に1品追加する方法があります。
例えば、
「パン+コーヒー」
という朝食なら、
「パン+卵+ヨーグルト+コーヒー」
にするだけでも、タンパク質を意識しやすくなります。
最初から完璧な食事に変える必要はありません。
今の食生活に「タンパク質を1品足す」ところから始めるのがおすすめです。
タンパク質は肉だけではない
タンパク質というと「鶏胸肉」「牛肉」「豚肉」などをイメージする方も多いと思います。
しかし、タンパク質はさまざまな食品から摂取できます。
例えば、
・魚 ・卵 ・牛乳 ・ヨーグルト ・チーズ ・豆腐 ・納豆 ・豆乳 ・大豆製品 ・肉類
などです。
WHOも、タンパク質は動物性食品だけでなく、植物性食品からも摂取できるとしています。
毎食同じ食品を食べ続ける必要はありません。
「今日は魚、明日は鶏肉」
「朝はヨーグルト、昼は魚、夜は豆腐」
というように、いろいろな食品を組み合わせるほうが、長く続けやすい食生活になります。
忙しい人はコンビニも活用する
恵比寿・広尾で働いている方の中には、
「毎日自炊する時間がない」
という方も多いと思います。
その場合は、コンビニやスーパーを上手に使うのもひとつの方法です。
例えば、
・サラダチキン ・ゆで卵 ・ギリシャヨーグルト ・焼き魚 ・豆腐 ・納豆 ・牛乳
などを組み合わせることで、タンパク質を追加できます。
例えば、
おにぎり+ゆで卵+ギリシャヨーグルト
のように組み合わせれば、忙しい日でも比較的簡単にタンパク質を意識できます。
大切なのは「毎回完璧な自炊をすること」ではありません。
仕事や予定がある日でも続けられる方法を作ることが、長期的な食習慣につながります。
プロテインは必要?
「タンパク質を摂るならプロテインを飲んだほうがいいですか?」
という質問もよくあります。
結論として、プロテインは便利な選択肢ですが、必ず飲まなければいけないものではありません。
基本的には普段の食事からタンパク質を摂り、不足する分をプロテインなどで補うという考え方で十分です。
例えば、
朝食でタンパク質が少ない
仕事が忙しく昼食を十分に摂れない
トレーニング後に食事まで時間が空く
といった場合には、プロテインを活用することで不足分を補いやすくなります。
一方で、
「プロテインを飲んだから食事は適当でいい」
というわけではありません。
プロテインだけでは、普段の食事から摂取できるさまざまな栄養素をすべて補えるわけではないため、基本はバランスの良い食事です。
タンパク質だけ増やせばいいわけではない
ここはダイエットや筋トレを始めたばかりの方に特に知っておいてほしいポイントです。
「タンパク質が大切なら、タンパク質だけ食べればいい」
というわけではありません。
身体を動かすためには炭水化物も重要です。
また、脂質も身体に必要な栄養素です。
そのため、実際の食事指導ではタンパク質だけを見るのではなく、
P=タンパク質 F=脂質 C=炭水化物
というPFC全体のバランスを見るようにしています。
例えば、
「鶏胸肉だけ食べる」
「プロテインだけ飲む」
といった極端な方法ではなく、
主食+主菜+副菜
を基本にして、その中でタンパク質をしっかり確保する考え方がおすすめです。
健康的な食事は、栄養素の「適切さ・バランス・適度さ・多様性」が重要だとWHOも説明しています。
年齢によってもタンパク質の考え方は変わる
タンパク質の必要量を考えるときは、年齢も重要な要素です。
特に年齢を重ねると、筋肉量や身体機能を維持することが健康面でも重要になります。
高齢者を対象としたESPENのガイドラインでは、少なくとも体重1kgあたり1.0g/日をひとつの基準とし、健康な高齢者では1.0〜1.2g/kg/日程度が提案されています。
ただし、健康状態、身体活動量、栄養状態などによって調整が必要です。
そのため、高齢の方や持病がある方、食事量が大きく減っている方などは、自己判断で極端にタンパク質を増やすのではなく、医師や管理栄養士などの専門家に相談することも大切です。
タンパク質を摂りすぎれば筋肉が増えるわけではない
「筋肉を増やしたいから、タンパク質は多ければ多いほどいい」
と考える方もいます。
しかし、タンパク質は多ければ多いほど筋肉が増えるわけではありません。
筋力トレーニングをしている健康な成人を対象とした研究では、タンパク質摂取量が増えることで筋肉量や筋力の増加がみられる一方、一定量を超えると追加的な筋肉量増加の効果は小さくなることが報告されています。
そのため、
「とにかく大量に摂る」
のではなく、
「自分に必要な量を確保する」
という考え方が大切です。
また、腎臓などの健康状態によってはタンパク質摂取について個別の配慮が必要になる場合があります。
持病がある方や医療機関から食事制限を受けている方は、自己判断で摂取量を増やさず、医療専門職に確認しましょう。
パーソナルジムでのタンパク質の考え方
実際のパーソナルトレーニングでは、「全員に同じ食事」をすすめることはありません。
例えば、
「体脂肪を落としたい」
「筋肉を増やしたい」
「健康のために運動を始めたい」
「体型を整えたい」
など、目的が違えば食事の考え方も変わります。
さらに、
・体重 ・年齢 ・トレーニング頻度 ・普段の活動量 ・現在の食事量 ・睡眠 ・仕事の忙しさ
なども考慮します。
例えば、仕事が忙しく朝食をほとんど食べない方に対して、いきなり細かい栄養計算をしても続かないことがあります。
その場合は、
「まず朝食に卵かヨーグルトを追加しましょう」
「昼食に魚や鶏肉などの主菜を入れましょう」
というように、実際の生活に合わせて取り組みやすい方法から始めます。
食事管理は、知識だけでなく「続けられる仕組み」を作ることも重要です。
タンパク質の必要量を考えるときのポイント
タンパク質の必要量を考えるときは、次のように整理するとわかりやすくなります。
まずは自分の体重を確認する
タンパク質量を考えるときは、体重1kgあたり何gという考え方が便利です。
例えば体重60kgなら、
1.2g/kg → 72g 1.4g/kg → 84g 1.6g/kg → 96g
となります。
次に運動量を見る
ほとんど運動しない人と、週に何回も筋トレをする人では必要量の考え方が変わります。
筋トレを習慣にしている方は、まず1.2〜1.6g/kg程度をひとつの目安として、食事内容や目的に合わせて調整してみるとよいでしょう。
ダイエット中なら不足していないか確認する
食事量を減らしている場合は、タンパク質まで減っていないかを確認します。
特に、
「朝食を抜く」
「昼食をサラダだけにする」
「夕食を極端に減らす」
といった方法を続けている場合は注意が必要です。
毎食少しずつ確保する
1日分をまとめて考えるよりも、朝・昼・夜のそれぞれにタンパク質源を入れるほうが実践しやすくなります。
「毎食必ず完璧に」というより、「毎食何かひとつタンパク質源を入れる」と考えると簡単です。
継続できる方法を選ぶ
自炊が難しいなら、コンビニを使っても構いません。
肉が苦手なら、魚、卵、乳製品、大豆製品を使っても構いません。
プロテインが便利なら活用しても構いません。
自分の生活に合う方法を選ぶことが重要です。
タンパク質は「毎日完璧」より「継続」が大切
タンパク質について調べると、
「○g摂らなければいけない」
「○gを超えてはいけない」
と細かい数字が気になることがあります。
もちろん数字は参考になります。
しかし、実際の生活では毎日まったく同じ食事をすることは難しいものです。
仕事が忙しい日もあれば、外食をする日もあります。
旅行の日もあれば、食欲がない日もあります。
そのため、最初から100点を目指す必要はありません。
「朝食にタンパク質を追加する」
「昼食に主菜を入れる」
「トレーニング後の食事を意識する」
など、小さな改善を積み重ねることが大切です。
まとめ
タンパク質の必要量は、体重、年齢、運動量、目的などによって変わります。
筋トレをしている方であれば、まずは体重1kgあたり1.2〜1.6g程度をひとつの目安として考える方法があります。
体重60kgなら、1日72〜96g程度です。
ただし、筋肉を増やしたい方やトレーニング量が多い方では必要量が高くなる場合もあり、反対に運動量が少ない方では同じ量を目指す必要があるとは限りません。
大切なのは、
・自分の体重と運動量を把握する ・毎食にタンパク質源を入れる ・肉、魚、卵、乳製品、大豆製品などを組み合わせる ・忙しい日はコンビニも活用する ・不足する場合はプロテインで補う ・タンパク質だけでなくPFC全体を見る ・無理なく継続できる食習慣を作る
ということです。
「毎日完璧に○g摂る」ことよりも、自分に必要な量を知り、無理なく続けられる食習慣を作ることを優先しましょう。
ダイエットでも筋肉を増やす場合でも、食事だけ、筋トレだけで考えるのではなく、トレーニング・食事・睡眠・日々の活動をまとめて整えていくことが大切です。
正しい知識をもとに、自分の生活に合った方法を少しずつ取り入れていきましょう。
皆さんが無理なく健康的な身体づくりを続け、理想の身体に近づいていけることを願っています。
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出典
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/eiyou/syokuji_kijyun.html
World Health Organization「Healthy diet」
https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/healthy-diet
International Society of Sports Nutrition「International society of sports nutrition position stand: protein and exercise」
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28642676/
Morton et al.「A systematic review, meta-analysis and meta-regression of the effect of protein supplementation on resistance training-induced gains in muscle mass and strength in healthy adults」
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28698222/
ESPEN「ESPEN practical guideline: Clinical nutrition and hydration in geriatrics」