筋トレで肩こり改善できる?|首・肩を楽にする運動と身体の使い方を専門トレーナーが解説|SYN GYM恵比寿・広尾店
筋トレで肩こりを改善できるのか、デスクワークによる首・肩のつらさに悩む方へ、筋力トレーニングと肩こりの関係を専門トレーナーが解説。肩だけでなく背中・肩甲骨・体幹を動かす考え方や、初心者向けの運動、仕事中にできる対策、注意点を紹介します。

「デスクワークをしていると肩がガチガチになる」
「夕方になると首や肩が重い」
「肩こりが気になるけれど、運動不足も感じている」
「肩こりを改善するために筋トレを始めたほうがいいの?」
このような悩みを抱えている方は少なくありません。
特にパソコンやスマートフォンを使う時間が長い方は、長時間同じ姿勢で過ごすことが多く、首や肩まわりの負担が気になることもあるでしょう。
では、筋トレをすることで肩こりは改善できるのでしょうか。
結論からいうと、**筋トレによって肩こりが楽になる可能性はあります。**
首・肩・肩甲骨周辺の筋肉を適切に動かしたり、背中や体幹を鍛えたりする運動は、首や肩の痛み・不快感の軽減に役立つ可能性があります。
一方で、「肩こり=肩の筋力不足」と決めつけるのは適切ではありません。
姿勢、筋肉の緊張、運動不足、仕事環境、身体の使い方など、さまざまな要素が関係するためです。
この記事では、パーソナルトレーニングの現場で肩こりに悩む方を指導してきた経験をもとに、筋トレと肩こりの関係、初心者が取り組むときのポイント、日常生活で意識したいことをわかりやすく解説します。
筋トレで肩こり改善はできる?
筋トレによって肩こりが楽になる可能性はあります。
特に、首・肩・肩甲骨周辺の筋肉を対象とした筋力トレーニングや運動療法については、首の痛みや身体機能の改善に役立つ可能性が研究で示されています。
例えば、オフィスワーカーの慢性的な首の痛みに対する運動を調べた2024年のシステマティックレビュー・メタ解析では、首・肩・肩甲骨周辺の筋肉を強化する運動によって、首の痛みや身体機能が改善する可能性が示されています。
ただし、この研究ではエビデンスの確実性は低いとされており、誰にでも同じ効果があると断定できるわけではありません。
そのため、
「肩こりがあるから筋トレをすれば必ず治る」
と考えるのではなく、
「自分の身体の状態に合った運動を取り入れることで、肩まわりのコンディションを整えられる可能性がある」
と考えるのがおすすめです。
肩こりがあるからといって肩だけを鍛えればいいわけではない
肩こりがあると、
「肩の筋肉が弱いから肩を鍛えよう」
と考えがちです。
しかし、実際には肩だけをひたすら鍛えればよいとは限りません。
肩甲骨は背中や胸、首、腕など多くの身体の部位と関係しています。
そのため、実際のトレーニングでは、
・背中 ・肩甲骨周辺 ・胸まわり ・体幹 ・肩や腕
などを含めて、身体全体の動きを確認することが大切です。
例えば、肩甲骨が動きにくい状態で肩の筋トレばかり行っても、思うように身体を使えないことがあります。
肩こり対策では「肩を鍛える」という一点だけを見るのではなく、肩がどのように動いているのかまで確認することが重要です。
デスクワークが多い人は肩こりが起こりやすい?
デスクワークが多い方は、長時間同じ姿勢を続けることがあります。
厚生労働省の資料でも、情報機器作業の合間に首や肩を動かすエクササイズが紹介されています。
例えば、頭が前に出た姿勢が続くことや、肩甲骨周辺の筋肉が緊張した状態が続くことが、首や肩のこりにつながる可能性が説明されています。
つまり、肩こり対策では「ジムで何をするか」だけではなく、「仕事中にどれくらい身体を動かしているか」も重要です。
長時間同じ姿勢を避ける
例えば8時間のデスクワークをしている場合、
「仕事が終わってから1時間だけ運動する」
だけでなく、
「仕事中にもこまめに身体を動かす」
という考え方を取り入れてみましょう。
具体的には、
・1時間に一度は立ち上がる ・トイレや水分補給の際に少し歩く ・肩を回す ・首をゆっくり動かす ・胸を開く ・休憩中に少し歩く
などです。
小さな動きでも、長時間同じ姿勢を続けないためのきっかけになります。
実際の指導では肩だけでなく身体全体の動きを確認する
パーソナルトレーニングの現場では、
「肩こりがあるので肩を揉んでほしい」
という相談を受けることもあります。
もちろん、肩がつらいときには肩まわりをほぐしたくなるものです。
しかし、トレーニングではまず、
「なぜ肩まわりがつらくなっているのか」
を考えることがあります。
例えば、
「肩甲骨が動きにくい」
「背中をうまく使えていない」
「胸まわりが動きにくい」
「長時間同じ姿勢を続けている」
など、身体の使い方や生活習慣を確認します。
そのうえで、必要に応じて肩甲骨や背中を動かすトレーニングを取り入れていきます。
肩こりを感じている場所だけを見るのではなく、身体全体を確認することが大切です。
肩甲骨を動かすトレーニングも取り入れてみよう
肩こり対策では、肩甲骨を適切に動かすことも重要なポイントの一つです。
肩甲骨は、腕を動かすときにも大きく関係しています。
例えば、
・腕を上げる ・腕を後ろに引く ・胸を開く ・背中を丸める
といった動作にも肩甲骨が関係しています。
2024年のシステマティックレビューでは、肩甲骨を対象とした運動療法が、肩の機能改善に役立つ可能性が報告されています。
ただし、肩甲骨の動かし方も「とにかく大きく動かせばいい」というわけではありません。
自分の身体の状態に合わせて、無理のない範囲で動かすことが大切です。
背中の筋トレでは「重量」より「フォーム」を意識する
肩こり対策として背中のトレーニングを行う場合、重量を重くすることだけを目標にする必要はありません。
例えばラットプルダウンやローイングなどを行う場合、
「肩をすくめない」
「腕だけで引かない」
「背中を安定させる」
「肩甲骨を適切に動かす」
といったフォームを意識します。
同じ重量を使っていても、身体の使い方が変われば負荷のかかり方も変わります。
例えば、重い荷物を腕だけで持とうとすると疲れやすいのに対して、身体全体を使って持つと楽になることがあります。
筋トレでも同じように、特定の部位だけに負担を集中させるのではなく、身体全体をうまく使うことが重要です。
特に初心者の場合は、重量を増やすことよりも、まず正しいフォームで身体をコントロールできるようになることを優先しましょう。
筋トレ初心者が肩こり対策をするときは軽い負荷から始める
「肩こりを改善したいから筋トレを始めよう」
と思っても、いきなり重いショルダープレスなどをする必要はありません。
むしろ、初心者の方は軽い負荷から始めるほうが身体の動きを確認しやすくなります。
例えば、
・肩甲骨を動かす軽いエクササイズ ・軽いローイング ・軽いラットプルダウン ・体幹を安定させるトレーニング ・胸や背中を動かすモビリティ
などから始める方法があります。
大切なのは、
「どれだけ重い重量を持てるか」
ではなく、
「肩や背中を適切に動かせているか」
です。
肩こり対策として筋トレを始めるのであれば、まず身体を正しく動かす感覚を身につけていきましょう。
「肩こり=筋力不足」と決めつけないことも大切
肩こりがあると、
「筋肉がないから肩が凝るんだ」
と思ってしまう方もいます。
しかし、肩こりの感じ方や原因は人によって異なります。
例えば、
・長時間同じ姿勢を続けている ・身体を動かす機会が少ない ・肩や首まわりに力が入りやすい ・仕事環境が合っていない ・身体の一部が動かしにくい ・運動習慣が少ない
など、さまざまな要素が考えられます。
そのため、肩こり対策では「筋肉をつければ解決」と単純に考えないことが大切です。
自分の生活習慣や身体の動かし方を確認しながら、必要な運動を選んでいきましょう。
ストレッチだけでなく筋トレを組み合わせる方法もある
肩こり対策というと、ストレッチをイメージする方も多いと思います。
もちろん、首や肩、胸、背中などを無理のない範囲で動かすことは一つの方法です。
一方で、筋力トレーニングを組み合わせることも選択肢になります。
首の痛みに対する運動療法を調べたレビューでは、首・肩甲骨周辺・肩などを対象とした筋力トレーニングや持久力トレーニングなどが、痛みや機能の改善に役立つ可能性が示されています。
ストレッチだけ、筋トレだけと限定するのではなく、
「動かす」
「伸ばす」
「支える」
という複数の要素を組み合わせて考えるとよいでしょう。
仕事の合間の短時間運動も肩こり対策になる
肩こりが気になる方は、ジムでのトレーニングだけでなく、仕事の合間の短時間運動も取り入れてみましょう。
近年のシステマティックレビュー・メタ解析では、座っている時間が長い労働者に対する短時間の運動が、首や肩の痛みの軽減に役立つ可能性が報告されています。
もちろん、短時間の運動だけですべての肩こりが解決するわけではありません。
しかし、
「仕事中は一切動かない」
という状態から、
「定期的に少し動く」
状態に変えることには意味があります。
例えば、
「メールを確認したら一度立つ」
「コピーや飲み物を取りに行くときに少し歩く」
「休憩時間に肩を回す」
など、自分の仕事に取り入れやすい方法から始めてみましょう。
肩こり対策の筋トレは週何回すればいい?
肩こり対策として筋トレを始める場合も、最初から毎日行う必要はありません。
WHOでは、成人に対して週150分以上の中強度の有酸素運動、またはそれに相当する身体活動に加えて、主要な筋群を使う筋力トレーニングを週2日以上行うことを推奨しています。
ただし、これは健康維持のための一般的な身体活動の目安であり、肩こりの状態に対する具体的なトレーニング頻度は人によって変わります。
初心者の場合は、
「まず週1〜2回から始める」
「仕事中にも短時間身体を動かす」
といった形でも構いません。
大切なのは、無理をして数日でやめてしまうことではなく、継続できる運動習慣を作ることです。
パーソナルジムで肩こり対策をするメリット
肩こり対策で難しいのは、
「自分の身体のどこを動かせばいいのかわからない」
ということです。
例えば、自分では肩が動いていると思っていても、実際には肩をすくめることで腕を上げていることがあります。
また、背中を鍛えているつもりでも、腕や首に力が入りすぎていることもあります。
パーソナルトレーニングでは、トレーナーが実際の動きを確認しながら、
・どこが動きにくいのか ・どこに力が入りすぎているのか ・どのフォームなら動かしやすいのか ・どの種目が目的に合っているのか
などを確認できます。
特に筋トレ初心者の場合、「何をやればいいかわからない」という状態から始められることは大きなメリットです。
SYN GYM恵比寿・広尾店でも、肩こりだけを目的にするのではなく、
「運動不足を解消したい」
「身体を引き締めたい」
「筋肉をつけたい」
「姿勢を整えたい」
「健康のために運動習慣をつけたい」
といった目的に合わせて、オーダーメイドでトレーニングを行っています。
肩まわりだけを見るのではなく、背中・体幹・下半身なども含めて、身体全体を動かすことを大切にしています。
肩こりがあるときに避けたいこと
肩こりが気になるからといって、痛みを我慢して無理にトレーニングするのはおすすめできません。
特に、
・運動すると痛みが強くなる ・鋭い痛みがある ・腕や手にしびれがある ・腕に力が入りにくい ・強い腫れや違和感がある ・長期間症状が改善しない
といった場合は注意が必要です。
「ただの肩こりだろう」と自己判断せず、医療機関などに相談することをおすすめします。
筋トレは身体を良くするための手段の一つですが、すべての症状を筋トレだけで改善できるわけではありません。
安全を優先し、自分の身体の状態に合わせて運動を行いましょう。
肩こり改善を目的に筋トレするなら「肩だけ」にこだわらない
肩こり対策として筋トレを始めるなら、
「肩を鍛える」
だけで終わらせないことがポイントです。
背中、肩甲骨、胸、体幹などを含めて身体全体を動かし、自分の身体の使い方を確認していきましょう。
例えば、
「肩が凝るから肩を揉む」
だけではなく、
「なぜ肩に力が入りやすいのか」
「肩甲骨はきちんと動いているのか」
「背中を使えているのか」
「仕事中に同じ姿勢を続けていないか」
と考えてみると、取り組むべきことが見つけやすくなります。
肩こり対策は、肩だけを変えようとするのではなく、身体全体の動きや日常生活まで含めて考えることが大切です。
まとめ
筋トレによって肩こりが楽になる可能性はあります。
特に、首・肩・肩甲骨周辺などを適切に動かす運動や筋力トレーニングは、首や肩の痛み・身体機能の改善に役立つ可能性があります。
ただし、「肩こり=筋力不足」と決めつけるのではなく、
・肩だけでなく背中や肩甲骨、体幹なども含めて身体を見る ・筋トレでは重量だけでなくフォームを意識する ・初心者は軽い負荷から始める ・ストレッチやモビリティも必要に応じて取り入れる ・デスクワーク中もこまめに身体を動かす ・長時間同じ姿勢を続けない ・自分の身体の使い方を確認する ・痛みやしびれなどがある場合は医療機関に相談する
ということを意識してみましょう。
肩こりを改善したいからといって、いきなり重い重量で肩を鍛える必要はありません。
まずは軽い運動から始め、肩や背中、肩甲骨を正しく動かす感覚を身につけること。
そして、仕事中にもこまめに身体を動かす習慣を作ること。
このような小さな積み重ねが、運動不足の解消や身体のコンディションを整えることにつながります。
肩こりに悩んでいる方も、「肩だけをどうにかする」と考えるのではなく、身体全体を動かす習慣を少しずつ作っていきましょう。
無理なく継続できる運動習慣を身につけ、毎日をより快適に過ごせる身体を目指してください。
皆さんが健康的で動きやすい身体を手に入れ、理想の身体に近づけることを願っています。
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出典
The influence of exercise on pain, disability and quality of life in office workers with chronic neck pain: A systematic review and meta-analysis(PubMed)
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38219373/
Exercises for mechanical neck disorders: A Cochrane review update(PubMed)
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27317503/
Effectiveness of micro-exercises for managing neck/shoulder pain in sedentary workers: A systematic review and meta-analysis(PubMed)
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/42297926/
「体を動かすポイント」肩こり緩和「仕事の合間に1分間ケア」(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/content/000812179.pdf
Physical activity(World Health Organization)